格安SIMの申込みページを見ていると、提供会社によって回線速度が微妙に異なります。 例えば、楽天モバイルとDMMモバイルを比較してみましょう。
楽天モバイル | 下り最大225MB 上り最大50MB |
DMMモバイル | 下り最大300MB 上り最大50MB |
ともに高速通信を使うプランの回線速度です。高速回線を使わないプランはともに200kbpsとなります。
この二つの会社はともにDocomoのモバイル通信を利用していることで知られています。
同じドコモの回線を使用しているのに、提供する会社によって回線スピードが変わってしまうのはなぜでしょうか?
このエントリーではMVNOによって回線速度が異なる理由と、格安SIMを契約するとき、何を基準に提供会社を選べばよいのか解説しましょう。
ドコモと楽天・DMMの間に入っている会社が速度のナゾを握っていた??
実は通信設備を持つNTTからMVNOが回線設備を借り受ける際に、間にMVNEと呼ばれる事業者が介入します。
MVNEとはMobile Virtual Network Enablerを略した言葉であり、楽天モバイルやDMMモバイルに通信サービスを提供する支援を行っている会社や団体のことを言います。
実は回線速度はこのMVNEが大きく影響しているのです。
このMVNEは大きく分けて4つあります。
IIJ | IIJmio、DMM mobile |
OCN | OCNモバイルONE、ぷららモバイルLTE |
b-mobile | b-mobile |
その他 | 楽天モバイル |
物理的な回線を持たないMVNOはドコモやKDDIが持っているサービス提供のノウハウをMVNEの支援を受けながらサービスを提供しています。
通常、回線速度は回線帯域と通信設備が多いほど(太いほど)早くなります。
MVNOがドコモやKDDIから回線帯域と通信設備の確保する量が多いほど回線速度が速くなりますが、それに併せて借り受けの費用が掛かります。
MVNOがこのコストと速度のバランスを上手にとってサービスを提供することで、私たちはお手ごろな価格でドコモやauの高速回線を利用することができるという仕組みになっています。
MVNOに対して運用のアドバイスをしているのがMVNEであると言えば分かりやすいかもしれません。
IIJやOCNはNTTグループと深い繋がりがある会社なので、その傘下にあるDMMモバイルの方が楽天モバイルよりも速い回線を安く提供できるというのは想像しやすいですよね。
格安スマホが提供された当初は楽天モバイルはdocomo回線なのに速度が遅いともっぱらのウワサだったのですが、それは同じドコモ回線を使用していても間に一枚かんでいるMVNEの力の差があったからです。
しかし現在、楽天モバイルはサービス開始時に提携していたMVNEを変更し、速度がかなり速くなっていると言われています。
回線速度は使用する時間によってもバラツキがあります。
日中の混雑時は回線が遅くなり、深夜帯は回線の使用者が減るので速度が速くなる傾向があります。
それはこれまでの大手キャリアの携帯通信網と変わりありません。
回線速度が速く、料金がなるべく安い格安SIMを今後も契約し続けたいのでMVNOの比較チェックは今後欠かせそうにありませんね。